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2007年7月14日 (土)

浅丘ルリ子「憎いあンちくしょう」

    昭和30年、ミュージカル映画「緑はるかに」の主役公募で3000人の中から選ばれて女優デビューしてから早くも半世紀がたつが、女優としての情熱はいまなお衰えず頑張っている、われらのルリ子ちゃん。近作では「博士の愛した数式」で数学者(寺尾聡)の姉役であった。男性中心の日活アクション映画では刺身のつま的ヒロイン役を可憐に演じていたが、昭和37年の「憎いあンちくしょう」(蔵原惟繕監督)で女の情念やエロスを演ずる女優へと脱皮していった。

   マスコミの人気者北大作(石原裕次郎)が無医村で働く医師に中古のジープを送り届ける。それを恋人の榊田典子(浅丘ルリ子)がジャガーに乗って追いかける。東京から九州まで日本縦断のオールロケであり、日本映画ロードムービーの原点ともいえる作品。蔵原監督は浅丘ルリ子の女優としての魅力を引き出した監督であり、その後も「執念」「愛の渇き」の野心作がある。「憎いあンちくしょう」という映画は「俺は待ってるぜ」の裕次郎を期待するファンにはものたらないかもしれないが、浅丘ルリ子の女としての美しさを見るにはオススメの作品である。

   そしてこの作品中、形骸化した男女の愛を裕次郎がギターを爪弾きながらうたう主題歌がいい。映画の音楽担当は黛敏郎。

1 あいする よろび

  かなしみ いづこに

  おもいで さぐれど

  さぐれど うかぶは

  いろあせて むなしい

  あいのことば

  うつろなる うつろなる

  しろいページ

2 やわはだ かたえに

  くろかみ たぐれど

  きみゆえ ものうき

  まひるの うれいは

  めくるめく ひかりに

  もえおちる

  おろかなる おろなる

  あいのあかし

  もえたち もえおち

  きえゆく ほのほよ

   (作詞・藤田繁夫 作編曲・六条隆)

  六条隆とは黛敏郎のペンネーム

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

北大作は誰でしょうか。
彼のモデルは、永六輔だというのが、定説です。
榊田典子のテンコの語源は、
これは、民芸の女優で、当時日活にも良く出ていた松本典子のことで、脚本家山田信夫が彼女と仲良くなって、テンコと呼んだのが始まりなのだそうです。
すべてどうでも良いことですが。

面白い話をありがとうございます。そういえば当時の日活には俳優座養成所出身者や劇団民藝など新劇系のフレッシュな女優がたくさんいました。岩崎加根子、渡辺美佐子、柳川慶子、吉行和子、そして松本典子。いまみなさんオバサンになられたが、ほとんど現役で活躍中とは女優さんはご立派です。

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