映画「青燕」の親日批判問題
韓国初の民間人の女性飛行士、パク・キョンウォン(朴敬元、1901-1933)の生涯を描いた映画「青燕」(あおつばめ、2005)がようやく日本でも公開されたが、国内ではあまり話題にならなかった。パク・キョンウォン役はチャン・ジニョン。映画は大作であったが、韓国では親日派の実在人物ということで、若者の間で「見る、見ない」という物議を醸したそうだ。また韓国初の女性飛行士はクォン・ギォクだという説もでた。クォン・ギォクは1925年に中国空軍で服務しており、パク・キョンウォンより3年早い。ただし、ギォクは軍人であるということなので、パク・キョンウォンは民間人としては初の女性飛行士ということになる。映画「青燕」の公開には親日批判問題が背景にあって話はなかなか難しくなってしまった。
パク・キョンウォンは、1901年6月24日、慶尚北道大邱府に生まれる。1917年にシンミョン女学校を中退し、1920年に日本の横浜技芸学校を卒業した。看護婦として働いたあと、1925年に立川飛行学校に入学。当時の女性としては長身で168cmあったという。1928年に韓国の民間人女性では初めて高等飛行士の資格を得て、彼女は飛行レースに参加し、優れた飛行の実力をしめした。海峡を越えて祖国の空を飛びたいという夢は、日満親善・皇軍慰問飛行という形で実現するかにみえた。1933年8月7日は悪天候であった。離陸後50分に静岡県玄嶽山において濃い霧が発生し、飛行機は墜落し、死去した。飛行機は単発小型機で「青燕号」と命名されていた。多賀村では一周年に「鳥人霊誌」という慰霊碑を建立した。
彼女は失敗したとはいえ、多くの偏見や障害を乗り越え、単独で海峡を越えるという夢にチャレンジした。飛行学校の学費なども東亜日報が後援した朝鮮全土からの寄付金と彼女が看護婦として働いた資金を充てたという。
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