貧乏人は肉を食え
晋の武帝のあとをついだ恵帝は、世界史上にもまれな暗愚な君主であった。あるとき大臣が「ちかごろ世の中は飢饉で、貧乏人は米が食えなくて困っております」と伝えると、恵帝は不思議そうな顔をして、「それなら肉を代用食にしたらどうだ」と答えたという。このような天子を表に立てて、悪がしこい賈皇后が勝手なことをおこない、人望ある大臣を殺したりした。そのため、一族の八人の王たちが、かわるがわる兵をつれて都にはいっては政権をにぎろうとし、親類どうしが殺し合いを始めた。これがいわゆる八王の乱(300-306)である。国内は混乱し、五胡の中原侵入を招き、西晋の滅亡は早められた。
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