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2007年2月 2日 (金)

風吹ジュンの不思議な魅力

   女優の風吹ジュン(54歳)が好調である。映画「魂萌え!」(阪本順治監督)では、夫を急に亡くした59歳の未亡人役を演じている。実際より5歳年長の役ということに興味をおぼえる。テレビの「風林火山」では、武田信虎の正室、武田信玄の母、大井夫人の役である。

    彼女は昭和46年にモデルとしてスカウトされユニチカ・マスコットガールとして、テレビCMでそのキュートな笑顔と舌足らずの独特なしゃべり方で男の子の注目を浴びた。ある芸能人水泳大会番組で水着コンテストがあり、彼女が優勝したのを記憶する。長い髪と小柄で均整のとれたプロポーションだった。そして22歳のとき「愛がはじまる時」で歌手デビュー。当時、天地真理、麻丘めぐみ、山口百恵とアイドル歌謡曲が全盛であった。風吹ジュンとの同期は伊藤咲子、木之内みどり、リンリン・ランラン、テレサ・テン。だが、彼女は他のアイドルとはちょっと変わった魅力があった。女性歌手は十代でのデビューが主流であったので、実年齢よりも若くしようとしていたようだが、やはり大人女性の妖しい雰囲気があった。ハスキーボイス、ジーパン、甘ったるいムード、ブリジット・バルドーのような小悪魔的な魅力はきわめて個性的な存在だった。大学に通う途中の店先に飾られたベニヤ板張りの風吹ジュンのポスターをながめながら通った。しかし、内心は歌と演技は下手、蓮っ葉なしゃべり方、やがて消えて行くだろうと思っていた。この予測は一時ある程度あたったようにおもえたが、結果的には見事にはずれた。風吹ジュンは、女優としての道で大成し、いまも快進撃を続けている。「阿修羅の如く」「蘇る金狼」「無能の人」「コキーユ」と出演作品を並べてもどれが出世作といえるかわからないほど地味である。むしろ彼女はこれからまだまだ活躍する女優なのかも知れない。若い頃の長い髪をなびかせた風吹ジュンでなく、目じりにすこし小じわがあって、声のしゃがれた色っぽいおばさんが結構受けているようなのだ。役柄もなんの変哲もない普通の家庭の主婦。おそらく監督とかディレクターたちは枯れたアイドルに不思議な魅力を感じるのであろう。

   彼女の栄光の影にも、知られざる苦労があったのではないか。海道はじめ「スナッキーで踊ろう」というレコード・ジャケットを見ると吉沢京子と小山ルミと風吹ジュンがゴーゴーを踊っている。このレコードの発売は昭和43年1月なので、彼女は15歳のときにすでに京都から上京してモデルをしていたようだ。その3年間、大都会で暮らし、どのような経緯で初代ユニチカ・マスコットガールになったか知らないが、その芸能活動はさぞかし悲惨なものだったろう。以前、テレビのインタビューで自分の芸名のことを「風吹という字では、ふぶき、とは読みませんよね」と語っていた。しかし、国語のルール無視でも事務所の方の命名法は大正解だったように思う。

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