衛八處士に贈る
謹賀新年、今年もよろしくお願いします。
衛八處士に贈る 杜甫
人生相見ざること
動もすれば参と商との如し
今夕 復た何の夕べぞ
此の燈燭の光を共にす
少壮 能く幾時ぞ
鬚髪 各各巳に蒼たり
舊を訪へば半ば鬼と為る
驚呼すれば中腸熱す
焉んぞ知らん 二十歳
重ねて君子の堂に登らんとは
昔別れしとき 君未だ婚せず
兒女 忽ち行を成す
怡然として父執を敬し
我に問ふ 何れの方より来たると
問答 未だ已むに及ばざるにを
兒を驅りて酒漿を羅ぬ
夜雨 春韮を剪り
新炊 黄梁を間じふ
主は称す 會面難しと
一挙に十觴を累ぬ
子が故意の長きに感ず
明日 山岳を隔てなば
世事 兩つながら茫茫たらん
(大意) この乱世の中で、20年ぶりの友との再会。至難のことだけにうれしい夜だ。友もその家族もわたしをあたたかくもてなしてくれる。わたしは友の厚い友情にかえって胸いっぱいで酔えないのだ。友も同じ気持ちらしい。しかし明朝また別れてしまえば、お互いわからぬままになってしまうだろう。
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