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2007年1月 8日 (月)

釜山と韓国ドラマ「海風」

    韓国の港町・釜山は日本と因縁浅からざるものがある。日本と韓国とを結ぶ最短距離として下関・博多ー釜山間の航路がますます重要性をましている。映画「チルソクの夏」を見て日・韓の高校生のスポーツを通じての交流があることを初めて知った。釜山は古代には無名の土地であったが、李朝のとき富山浦と呼ばれ、日本人の居留民が住み倭館が設けられた。日清・日露戦争後は急速に大港市として発展し、首都ソウルにつぐ大都市になった。1950年に始まった朝鮮戦争のとき、韓国の首都が一時ここに移され難民が殺到して人口が急激にふえた。

   さて韓国ドラマ「海風」(1995年PSB制作、演出ファン・ウンジ)は、ぺ・ヨンジュンが「愛の挨拶」(1994)に続く初期の単発ドラマである。港町釜山の水産市場チャガルチを舞台に、一人の青年が人間として成長していく姿を描いている。大学生チャン・ムンニョン(ぺ・ヨンジュン)の父(イ・ナックン)は、チャガルチ市場で成功し、一代で財を成した苦労人だった。しかし、裕福な家庭に育った息子のムンニョンはそんな父の苦労も知らずに、気楽な日々を送っていた。ある日、ソウルのナイトクラブに遊びに行った帰り、前方不注意で人をはねてしまう。突然の出来事に、気が動転したムンニョンは、ひき殺してしまったと思い、そのまま逃げ、釜山にたどりつく。金もろくになく、空腹のあまりに無銭飲食をした食堂で、出前のアルバイトをすることになる。ムンニョンは釜山でさまざまな人々と出会う。口は悪いが心は温かい食堂のおばさんたち(クォン・ギソン、ナム・ユンジュン)。船の上で放浪しながら暮らすヨングク(「宮廷女官チャングムの誓い」のメン・サンフン)。孤児で辛い境遇でありながら、心の純粋な少女ミスン(チン・ジェヨン)。刺身屋の娘で気の強いキルジャ(チャン・ソヒ)。釜山の情け深い人々に触れるうちに、ムンニョンの心は変わり始める。嫌々ながらしていた仕事にも積極的になり、すっかりチャガルチに溶け込んでいくのだった。ムンニョンはしだいにたくましく成長し、ミンスに心惹かれ二人はつきあうようになる。キルジャは店の常連の裕福な男({初恋」でヨン様と共演したソン・ヒョンジュ)と無理やり結婚させられそうになり、ついに家出しようとする。デビュー間もない頃のぺ・ヨンジュンは「愛の挨拶」「海風」「若者のひなた」と少し気の弱い金持ちのボンボンの役が似合った。そして何より眼鏡がトレードマークとなった。オシャレで洗練された「微笑みの貴公子」といわれる以前の素朴な韓国青年の姿がほほえましい。

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富山浦は組得の地名である。

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