無料ブログはココログ

« 紫電改と松山三四三航空隊 | トップページ | 「万葉集」冒頭の歌 »

2007年1月31日 (水)

聖徳太子を救った男

    一万田尚登(いちまだひさと、1893-1984)は、昭和21年、新木栄吉が公職追放になると、その後任として日銀総裁になった。GHQは、それまで紙幣に登場していた聖徳太子、和気清麻呂、武内宿禰、日本武尊ら7人の肖像を使用することを禁止するといいだした。そこで一万田は「他の人はともかく、聖徳太子は軍国主義とも封建主義制度とも関係ない人だから残すように」と申し入れた。GHQ側は「聖徳太子は天皇家の一族だから」という理由で、これを突っぱねる。一万田は聖徳太子が定めた十七条憲法を持ち出す。「冒頭の、和を以って貴しとなす、とした太子は平和主義者なのだ」と多少、奇妙な論理を持ち出して食い下がり、とうとうGHQ屈服させたという。一万田の日銀総裁8年7ヵ月といのは歴代総裁の最長記録だが、ちょっぴり自慢げに「聖徳太子に救われた人は多かろうが、太子を救ったのは私だけだと思っている」と話していたという。

« 紫電改と松山三四三航空隊 | トップページ | 「万葉集」冒頭の歌 »

日本史」カテゴリの記事

コメント

一萬田尚登について研究しております。「聖徳太子に救われた人は多かろうが、太子を救ったのは私だけだと思っている」という言葉は、書物か何かに書いてあったのでしょうか。

歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。)

読み通すには一頑張りが必要かも。
読めば日本史の盲点に気付くでしょう。
ネット小説も面白いです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 紫電改と松山三四三航空隊 | トップページ | 「万葉集」冒頭の歌 »

最近のトラックバック

2025年5月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31