無料ブログはココログ

« 堺利彦と売文社 | トップページ | 士道不覚悟 »

2006年12月12日 (火)

寒山子詩一編

        千雲万水間

                                    中唐 寒山

 千雲万水の間

 中に一閑士あり

 白日 青山に遊ぶ

 夜 帰りて巌下に睡る

 倏爾として春秋を過り

 寂然として塵累無し

 快よき哉 何の依る所ぞ

 静かなること秋江の水の若し

(千層にも重なった雲、万条にも流れる川のあるこの寒山に、のんびりと過ごす一人の隠者がいる。昼は青山に遊び、夜、帰ってからは岩の下で眠る。たちまち歳月が過ぎ去り、ひっそりと静かで、俗世とは縁が切れている。なんと快いことだろう、頼るものの無いことは。心はまるで、秋の大川のように静かである。)

    寒山は生没年不詳。詩の内容その他から、中唐ごろの人と見なされる。浙江省の天台山にある国清寺(こくせいじ)に出入りし、数々の奇行で知られた。その実在性は疑わしく、単なる伝説上の人物ともいわれるが、俗世に背を向け自然と一体になって暮らしたその人物像や、禅の影響を感じさせるその詩風は、後世に大きな影響を与えた。『寒山子詩集』二巻がある。これは、寒山が村の家々の壁や山中の木、石などに書きつけた詩三百余編を集めて作ったものと伝えられる。(参考:石川忠久「漢詩への誘い 杭州の巻」2004.10)

« 堺利彦と売文社 | トップページ | 士道不覚悟 »

「漢詩」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 堺利彦と売文社 | トップページ | 士道不覚悟 »

最近のトラックバック

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31