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2006年10月13日 (金)

共同便所のイリュージョン・関根正二

    関根正ニ(1899-1919)。大原美術館所蔵の「信仰の悲しみ」という絵は、関根自身が次のように語っている。「日比谷公園を歩いていたとき、突如、共同便所の中から、様々な光に燦爛として現れ出た行列の女たちの幻想を描いたものだ」そのパステル下絵を見ると、妊んだような女が五人、手に赤い実か花のようなものを持ち、やや喜々として関根の方を見ているようでもあり、どこか「天使の慰め」のようである。関根は初め、この下絵を「楽しき国土」という題にしていたとのことであるが、この下絵の性質は関根の幻想の性質をよく語っている。これ以後の関根の作品はすべて「天使の慰め」であり、関根の幻視のなかで、女性=天使がいつも関根を慰め(「信仰の悲しみ」下絵「慰められつつ悩む」)、関根のために祈り(「神の祈り」)、関根を誘惑するように見守っている(「三星」)。グリューネヴァルト的な暗鬱な背景をもち、黄色の女を先頭にして進んでいるが、中央の朱(関根のバーミリオン)の女が基調となっている。関根のデッサンは硬質な力強さをもち、顔、眼の表情にアクセントか置かれ、関根の幻想に限りない真実を付与している。当時友人だった今東光によると中央の女性は、関根が好きだった女性の田口真咲に似ているという。

    関根正二は、現実と自己の絵画のなかの世界との分裂の意識に苦悶し、極限の錯乱を経て、永遠の幻視の作品を描き残した、近代日本美術史の唯一の異色の画家であった。大正8年6月16日、スペイン風邪をこじらせた肺炎がもとで衰弱し、20歳の若さで夭折した。

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コメント

始めまして僕は関根正二やかまちに出会って絵を描き始めました
よかったらホームページを
のぞいて見てください
http://www.takayuki-oekakichamp.com/
「お絵かきチャンピオン小林孝至」でも
検索できますよろしくお願いします
よかったらメール&ホームページにコメントも待ってます

小林様、ギャラリーを見せてもらいました。年々、表現力があがっているように思えます。絵は好きですが高校生まで描いてました。いちおう美術部だったんですが・・・。継続することが大事ですね。それと自分の好きなことを極めることかな。絵描きさんには写生しないと描けないタイプと、創造力で描くタイプがあるそうですが、想像力で描ける人ってすごいですね。シャガールの絵にも、いろいろ説明できるような意味というか、象徴性があるみたいですので、やはり広い意味での芸術全般の追求もプラスになるのではないかと思います。

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