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2006年10月 3日 (火)

.ルソーと中江兆民

   中江兆民(1847-1901)は、「東洋のルソー」と呼ばれたように、ルソーの紹介者として知られている。億兆の民の意味で、庶民を表わす兆民を号につかった。土佐で漢学、長崎・江戸でフランス語を学び、明治4年から7年までフランスに留学した。パリ・コミューン直後のパリで政治学者アコラス(1820-91)に学ぶ。中江は18世紀の啓蒙思想家に目をむけ、とくにルソーにつよい関心をもった。彼は、ルソーと同じく、長いあいだ封建的隷属に馴れて、人権の観念など夢想だにしなかった民衆の目をひらくことに努力した。彼の奇言奇行は多く、封建的偏見に対する風刺であり、反抗であった。明治15年、ルソーの「社会契約論」の漢訳・解説した「民約訳解」を著わし、大成功を収めた。民権運動時代の政治青年、たとえば植木枝盛、大井憲太郎たちのバイブルとなった。

    彼の「民約訳解」は原著の半分にも満たなかったが、当時の日本の状況からみて、必要にして十分な箇所、すなわち人民主権、直接民主政の理論の部分であった。門人には幸徳秋水、酒井雄三郎ら、日本の初期社会主義者が出ている。

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