久松文雄「スーパージェッター」
「秦始皇帝」(文藝春秋)を一気に読破する。といってもコミック中国史。ていねいな線で書き上げた品のいい少年漫画風。作者はなんと「スーパージェッター」の久松文雄だった。ケペルは「少年サンデー」を昭和34年の創刊号から愛読していた。「0マン」「スポーツマン金太郎」「伊賀の影丸」「おそ松くん」「オバケのQ太郎」「怪球Xあらわる」毎週発売日には「エスペロー」という書店に40円を握り締めて走った。しかし昭和40年にもなると、そろそろ漫画を卒業しなければという気持ちも少年ながら芽生えてきた頃だった。そんなとき「スーパージェッター」の連載が始まった。その頃の「少年サンデー」は小沢さとる「サブマリン707」、手塚治虫「W3」や「バンパイヤ」などのSF漫画に人気があった。未来の国からやってきた「スパージッター」は「手塚治虫より手塚的!?」といわれるほど、品のいい柔らかなタッチでスマートなキャラクターだった。もちろん絵をまねて描くことも好きだったので、手塚治虫や横山光輝の描く影丸のような美少年が好きだった。スパージェッターと流星号はまさに少年の夢の世界であった。テレビのアニメ化もされ大人気であったように思う。しかしながら久松文雄は「風のフジ丸」「冒険ガボテン島」を描いてからあまりその作品を見ることはなかった。いま、平成6年の「秦始皇帝」をはじめ「項羽と劉邦」「李陵」「呉越燃ゆ」とコミック人物中国史をライフワークとしてじっくり取り組んでおられるという。昭和18年生まれということでまだお若いのに驚く。「スーパージェッター」はなんと21歳の時の作品だったとは。手塚治虫、横山光輝、巨匠の亡き後、少年漫画の伝統を生かしてがんばってほしい。
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