ジョン・ロックの「人間知性論」
知性の研究は楽しく有益
およそ人間を人間以外の感覚できる存在者の上に置いて、あらゆる点ですぐれさせ、支配させるものは知性であるから、知性はまさにその貴さから言って絶対確実に、研究の労に値する主題である。この知性は目に似て、私たちに他のあらゆる物ごとを見させ、知覚させながら、自分自身にはいっこうに注意しない。そこで、知性をある距離に置いて、知性自身の対象とするには技術と努力がいる。
とはいえ、この研究途上に横たわる困難がなんであれ、私たちを自分自身にこれほどひどくわからなくさせておくものがなんであれ、確かに、私たちが自分自身の心を照らしだせる灯火はすべて、自分自身の知性について識ることのできるものはすべて、非常に楽しいだけでなく、他のものごとの探求に当たって私たちの思惟を導くうえに大きな利益をもたらすだろう。(「世界の名著 27 ロック ヒューム」大槻春彦訳)
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