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2006年10月27日 (金)

伝説の船成金、内田信也

    第一次大戦後、船舶は世界的に不足し、その需要は増大する一方であった。船価や運賃が短期間に急上昇し、10倍になる場合もしばしばみられ、思惑と投機がさかんに行われた。こうして、わずかの資金で巨万の富を得た成金がでた。海運業で成功した「船成金」に内田汽船を創設した内田信也、山下汽船をつくった山下亀三郎などがいる。

    内田信也(1880-1971)。茨城県生まれ。東京高等商業学校を卒業後、三井物産へ就職。船舶部で10年間用船業務を担当したのち、第一次大戦勃発と同時に退職した。船舶1隻の神戸内田汽船を開業し、たちまち社業を拡張、60割の株式配当・政治献金にからむ珍品五個事件など、海運業でわずか34歳で成功した船成金であった。その後、政界へ入り連続して代議士に当選、政友会の幹部になった。昭和11年、鉄道相として鉄道疑獄に連座、昭和15年無罪判決後は昭和18年宮城県知事で東北地方行政協議会会長となり、ついで昭和19年東条改造内閣の農商相に就任。辞任後貴族院議員。敗戦後、公職を追放され、追放解除後の昭和27年衆議院議員、第五次吉田内閣で一時農相をつとめた。(参考:「図説日本文化の歴史12」)

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