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2006年8月19日 (土)

「赤い鳥」という童話と童謡の文学運動

    児童文芸雑誌「赤い鳥」は、大正7年7月から昭和11年10月まで刊行された。(昭和4年3月から昭和5年12月は休刊)。通巻196冊。鈴木三重吉は「功利とセンセイショナルな刺戟と変な哀傷とに充ちた下品なものだらけである」子どもの読物の現状を憂い、「子供の純性を保全開発するために、現代第一流の芸術家の真摯なる努力を集め、兼て、若き子供のための創作家の出現を迎ふる、一大区劃的運動の先駆」たらんと期している。そしてまた「貧弱低劣なる子供の謡と音楽とを排除して」「芸術的な謡と音楽」を作ることと「少しも虚飾のない、真の意味で無邪気な純朴な」子どもの作文の養成をも唱えている。

    この運動に賛同した作家は次のとおり。

泉鏡花、小山内薫、徳田秋声、高浜虚子、野上豊一郎、野上弥生子、小宮豊隆、有島生馬、芥川龍之介、北原白秋、島崎藤村、森林太郎、森田草平、鈴木三重吉その他十数名。一年後には、以上の作家のほかに、小川未明、谷崎潤一郎、久米正雄、久保田万太郎、松居松葉、江口渙、有島武郎、秋田雨雀、青木健作、西条八十、佐藤春夫、菊池寛、三木露風、山田耕筰、成田為三、近衛秀麿を加えている。このほか、秋庭俊彦、伊藤貴麿、井伏鱒二、内田百閒、宇野浩二、宇野千代、大木篤夫(惇夫)、片山広子、加藤武雄、加能作次郎、上司小剣、木下杢太郎、楠山正雄、小島政二郎、下村千秋、相馬泰三、塚原健二郎、豊島与志雄、長田秀雄、中村星湖、南部修太郎、福永渙、林芙美子、広津和郎、細田源吉、細田民樹、水木京太、室生犀星、宮原晃一郎、吉田絃二郎らがいる。童謡では白秋、八十のほか、三木露風、柳沢健など。また、坪田譲治、新美南吉、平塚武二、小野浩、木内高音、森三郎らは鈴木三重吉の指導により童話作家として現れ、白秋の門からは、与田準一、巽聖歌、佐藤義美、小林純一、柴野民三らが出ている。挿絵は、清水良雄を中心に、鈴木淳、深沢省三、小笠原寛三、川上四郎、武井武雄、島田訥郎、寺内万次郎、前島とも子ら狭い範囲の人に限られていた。

代表的な作品をあげる。

「蜘蛛の糸」芥川龍之介

「杜子春」芥川龍之介

「魔術」芥川龍之介

「一房の葡萄」有島武雄

「蕗の下の神様」宇野浩二

「月夜と眼鏡」小川未明

「小川の葦」坪田譲治

「ごん狐」新美南吉

「大熊中熊小熊」佐藤春夫

「一郎次、二郎次、三郎次」菊池寛

「唐傘」徳田秋声

「マツチ売の娘」小宮豊隆

「王様になった狐」広津和郎

「ないてほめられた話」有島生馬

「ねこを殺した話」野上豊一郎

「どろぼう」久米正雄

「ふえ」小島政二郎

「少年と海」加能作次郎

「白鳥の国」秋田雨雀

「さびしき魚」室生犀星

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