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2006年8月10日 (木)

竹久夢二の詩歌

   大正元年6月、雑誌「少女」に夢二は、さみせんぐさの筆名で「宵待草」を発表。全8行の詩形であった。この詩は翌大正2年11月発行の『どんたく』(実業之日本社)に収録された。

    宵待草

 まてどくらせど こぬひとを

 宵待草の やるせなさ。

 こよひは 月もでぬさうな。

   三行詩という短い形式はおそらく石川啄木の影響であろうか。いつまでたっても男は来ないので、もどかしいやら、せつないやらで、いつしか自分の身の上を月見草の別名を持つ「オオマツヨイグサ」(宵待草は夢二の造語)にたとえて嘆いている。

   この詩にバイオニストの多忠亮(おおたただすけ 1895-1930)が曲をつけた。大正7年9月に楽譜「宵待草」(セノオ楽譜)が出版されるや、またたくまに全国に流布し、人々の愛唱歌となった。

   夢二は画家であるが、詩画集を50冊以上も出しているので、多数の詩歌が残されている。

ありし日の少女(おとめ)のごときはぢらひを

眼に見する子よ何を思へる

       *

許せ子よ昨日と今日をひとつ身に

まして女の耐ふることかは

       *

かなしきときは 悲しむこそよけれ。

うれしきときは 喜ぶこそよけれ。

わかき日のために。

     *

        けふ

きのふのための悲しみか

あすの日ゆゑの佗しさか

きのふもあすもおもはぬに

この寂しさはなにならむ。

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