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2006年8月10日 (木)

鯨の生態

   鯨は全生涯を水中で生活する唯一の哺乳類であり、現存する動物では最大のものである。鯨は、鯨油や食用としてほとんど無駄なく利用でき、昔から海の資源として重視されてきたが、繁殖力が低いので、近年、欧米を中心に鯨の保護運動が盛んとなり、商業捕鯨の管理のための方策が、国際捕鯨委員会で取り決められている。シロナガスクジラ、マッコウクジラなどの大型鯨13種が管理対象になっている。

   鯨は歯のあるハクジラと歯のないヒゲクジラに分類され、ハクジラの小型の種類がイルカである。ハクジラには、マッコウクジラ、ツチクジラ、シオゴンドウ、アカボウクジラなどがあり、ヒゲクジラには、シロナガスクジラ、ナガスクジラ、イワシクジラ、ホッキョククジラ、ザトウクジラなどがある。

 鯨類は一海域に定着することは少なく、つねに餌を追って回遊しているが、小型種になるほど回遊の範囲は狭くなり、特定の海域に定住して分布域を形成するものもある。またイルカ類では暖海性の種が多く、寒海性の種は少ない。ヒゲクジラ類では、暖海で交尾し、寒海に餌を求めて、南北に広く回遊する。クジラの寿命は、大形の種類ほど寿命が長く、シロナガスクジラで約100歳、マッコウクジラで約70歳と思われる個体もある。 (参考:「鯨を追って」大村秀雄 岩波新書)

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