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2006年8月24日 (木)

漢代隷書体の特質

    漢代になると、秦以前の実用文字であった古隷の字体が整理されて、いわゆる漢隷とも称される隷書体が前漢・後漢を通じて標準書体として用いられるようになった。漢代の人々は書体を区別して使いわけ、書体のそれぞれの特有の美しさを認識するようになったのである。これは美的自覚がはっきりともたれたことを意味すると思われる。もう一つ、漢代における書道史上重要な点は、用筆法に関する事項である。篆書の時代の用筆法は、一般的には筆が書かれる材料の表面に対してほとんど垂直であった。この用筆法は前漢頃まで続くが隷書体の完成される後漢の時代になると、横画の幅が広くなることや、起筆の形などで筆は垂直から順次手前に傾斜してきたことがわかる。ただし隷書時代の筆の傾斜は手前方向だけで、西晋以後の時代に見られるように、右方にはまだほとんど傾斜していないと考えられる。この筆管の傾斜の問題は、筆線の表現力と密接な関係がある。このように筆が手前に傾いてきた隷書体では筆線の中に書者の心持ち(筆意)が表現されてくる。その理由は筆が傾斜すると細かい手の動きがあらわれやすいからである。(参考:「中国書道史事典」比田井南谷)

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