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2006年8月30日 (水)

図書館はシュメールに始まる

   シュメール人は、所属系統不明の民族であるが、今日ではイラン高原を出身地とみる説が有力である。前4000年頃、ティグリス河中流域から河にそってくだり、シュメールの地に移住定着したシュメール人は、沼地を干拓し、灌漑農業の高生産性を利用して、最初の都市文明を築いた。楔形文字・神殿建築・円筒印章・羊毛衣料・十二進法などに特色が見られる。これらのシュメール文明は、次第に北部高地のアッカド地方や周辺諸地域に伝播し、ウル第一王朝を頂点としてメソポタミア全土に及んだ。ウル第三王朝の滅亡とともにシュメール文明は急速に衰えたが、バビロニア文明に基礎を与えた。

   メソポタミアにおける図書館成立過程の第一段階は、シュメール人によって実用的な文字の体系がはじめて出現し、発達したことが出発点となっている。現在、シュメール人が書いた文字の中で最も古いと見なされているのは、南メソポタミアのウルク市のエ・アンナ神殿で発見された絵文字である。前3100年頃(ウルク第Ⅳ層)シュメール文字が発明され、前2800年頃(ウルク第Ⅲ層、ジェムデッド・ナスル)まで用いられた。この絵文字から楔形文字が発達し、より多くの記録が残されるようになると、いつでも利用できるように、整理し、保存する必要が生じてくる。このような中から原図書館(Proto-library)が生まれたと考えられる。

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