ボヴァリー夫人
開業医のシャルル・ボヴァリーは年上の妻に先立たれた後、農場を経営するルオーの一人娘エマと結婚する。彼女は13歳のときから修道院で教育を受け、ダンスや地理や図画ができ、綴織もするしピアノも弾けた。そのような妻を持ったことで、シャルルはいよいよ鼻を高くした。だが、彼女はこの平穏な生活が自分の夢みていた幸福だとは、どうしても考えられなかった。
エマはダンデルヴィリエ侯爵家の舞踏会に招待された。彼女はその舞踏会の追憶を日課の一つのように過ごし、再度の招待を待ち望んだが、期待ははずれた。エマは気むづかしく、気まぐれになった。やがて夫の配慮で、彼女は療養のために転地した。その地で公証人レオンと知り合う。
レオンは彼女のどっちつかずの態度に、業をにやして去った。田舎貴族ロドルフとの情事、レオンとの再会、彼女の乱費は情事と並行してかさんでいった。万策つきて、ついにエマは自殺する。(ギュスターブ・フローベール 1856年)
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