ヨブの試練
サタンは、世に名高い義人ヨブの敬虔が、神に祝福され富と子宝と健康を恵まれていることの結果にほかならず、もしこれらを失えば、ヨブは神を呪うようになると主張した。神はこのサタンに対し、ヨブを思いのままにする許可を与えた。このため、ヨブはまたたく間に全財産と子どもたちをなくし、そのうえ全身を腫れ物でおおわれて陶器の破片で身体を掻きながら灰の中に座るという、まさに悲惨の極の状態に陥った。
しかし、このようにまったく不当としか思われぬひどい目にあっても、ヨブは「神を呪って死になさい」という妻をたしなめ、彼の苦難が罪の結果であるといって改悛を勧める友人たちに対してはひたすら潔白を主張しながら、神にこの不可解な事態の説明を求めた。やがて神は、旋風(つむじかぜ)の中からヨブに答え、神の働きがいかに人知を超絶したものであるかを懇切に説いて聞かせた。そしてヨブが、自分の無知を悟り、神の摂理を測ろうとした愚かさを悔いると、神は彼をめでたたえ、ヨブを非難した友人たちには厳しい叱責を加えて、神への取りなしをヨブに頼めと命令した。こののち、ヨブの財産は神によって以前に倍加され、もと通り子宝にも恵まれて、幸福のうちに長寿を全うできたという。
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