ほらくらべ(民話)
むかし、丹波の多紀の郡の人と、摂津の伊丹の人とが、ほらの吹きくらべをしました。まず丹波の人が「丹波にゃ、三嶽山という高い山がある。その山のてっぺんに三本の大竹が生えとるが、冬になって雪がふると、その竹がしわって先っちょが丹後の宮津につかる。春になって雪がとけて、竹が立ったときには、その葉に蛤がぎっしりとついていて、三嶽山のてっぺんに蛤の山ができる」といばりだした。すると伊丹の人は、「伊丹には酒屋がぎょうさんあって、そこには大けな酒樽があって、その酒樽のまわりはどれくらいかというと、三里から四里にもなる」とやり返した。そこで、丹波の人が、「その酒の樽の輪はどうして作る」と問いかけましたら、ぐっとつまって、「そりゃ、丹波の三嶽山の竹で作る」といったので、伊丹の人が負けたそうな。(兵庫県多紀郡)
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