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2006年6月15日 (木)

沈黙の秘密

  ある夏の日曜日、勉強に飽きた僕は、友だちといたずらを考えだす。ラブレターをでたらめに書いて、町に出て、一番はじめに出会った女性に、その手紙を出すことにしょう、相手がどんな女の人でも、運だめしなのだから、途中でやめてはいけない、と約束する。

 僕は、子犬を連れた、変わり者の女性に出会う。友だちはおびえるけれども、僕はむきになって、その女性に手紙を渡した。彼女は手紙を受け取って行く。その手紙をほんとうのラブレターだと思われても困るし、そのいたずらを学校の先生に報告されると、叱られるであろう。

 しかし、その女性は、誰にもそのことは話さなかった。彼女の沈黙のために、僕は救われたのだった。やがて何十年が過ぎて、僕は医者になり、大きな戦争がおこった。その女性が不幸で困っていると噂に聞き、僕はその女性を援助をすることができた。(カロッサ「青春のうつりかわり」)

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